倫理学a 参考文献:ロボット倫理
倫理学a 参考文献:性の倫理
全て本学図書館に所蔵されています。
藤田尚志、宮野真生子編 シリーズ『愛・性・家族の哲学』
愛・性・家族をテーマに編まれた論文集。どの論文も、私たちの生活を哲学的に掘り下げる興味深いものになっています。私は『性』の巻に「ピルと私たち ー女性の身体と避妊の倫理」という論文を寄せました。
小泉義之、立木康介編『フーコー研究』
フランスの哲学者ミシェル・フーコーに関する論文集。私は「フランスの中絶解放運動とフーコー」という論文を寄せています。授業でお話ししたフランスの中絶合法化の歴史を解説しています。
江口聡監訳『妊娠中絶の生命倫理』
妊娠中絶をめぐる英米の倫理学者の議論を紹介する翻訳論文集。私はジェーン・イングリッシュ「妊娠中絶と「ひと」の概念」という論文を訳しています。
動物倫理 参考文献:
伊勢田哲治、なつたか『マンガで学ぶ動物倫理』化学同人、2015年
手軽に読め、かつ内容充実のこちらをまずはお勧めします。
太田匡彦『犬を殺すのは誰か ペット流通の闇』朝日文庫、2013年
授業では扱わなかったペットの殺処分の問題を取り上げたルポタージュ。少し古いが、問題を知る手がかりにしてほしい。
第6章「ベジタリアニズム」が参考になります。
枝廣淳子『アニマルウェルフェアとは何か 倫理的消費と食の安全』岩波書店、2018年
授業で扱ったアニマルウェルフェア(動物福祉)に特化した入門書。薄いので手軽に読めます。
私たちが食べるお肉がどうやって出来上がっているのかを文と写真で知ることができる。
タイトル通り、「いのちを食べかた」を様々な角度から掘り下げる本。
【 映像作品】
ニコラウス・ゲイハルター『いのちの食べ方』
主にヨーロッパの畜産・精肉のあり方に取材したドキュメンタリー。お肉以外にも、食べ物全般がどういう風に作られているかがクールな映像で示される。
リチャード・リンクレイター『ファーストフードネーション』
こちらはフィクション作品。私たちの食べ物の由来を辿ると、食の問題だけでなく労働や格差の問題も見えていることを示した作品。とても面白い映画なので、見てほしい。
参考文献:生命倫理
授業で扱ったテーマに限らず、命に関わる倫理問題を取り上げた本を紹介します。
【生命倫理の入門書】
いずれも生命倫理の代表的な問題をバランスよく論じている。まずは、どんな問題があるのかを知るところから始めてみよう。
小林亜津子『はじめて学ぶ生命倫理』、『QOLってなんだろう』
児玉聡 『マンガで学ぶ生命倫理』
【安楽死】
日本・海外の現状もふまえて安楽死の問題を整理した本。安楽死の是非について考えたい人は必読。よい悪いを語る前に現実を勉強してみよう。
宮下洋一『 安楽死を遂げた日本人』
NHKでも取材された、スイス(自殺幇助が合法化されている)で安楽死(正確には自殺幇助)した日本人のルポタージュ。安楽死という三文字ではわからない現実を知ることができる。安楽死と自殺幇助って何が違うの?と思った人は、上の『安楽死・尊厳死の現在』を読んでください。
【生殖補助医療】
命を生み出す技術も著しく進歩し、倫理問題を生んでいます。
宮下洋一『卵子探しています』
日本からアジア、ヨーロッパまで六カ国を生殖医療の現状を取材したルポタージュ。現実を知りましょう。
小林亜津子『生殖医療はヒトを幸せにするのか』
倫理学者による問題の見取り図。技術は人を幸せにするのか、生殖補助医療を例に考えてみよう。
倫理学a 参考文献:公衆衛生の倫理学
赤林朗・児玉聡編『入門・医療倫理III: 公衆衛生倫理』、勁草書房、2015年
公衆衛生の倫理の教科書。明瞭簡潔。
編者の児玉聡さん(京都大学文学研究科倫理学専修准教授)によるオンライン講座「パンデミックの倫理学」もおすすめです。五回に渡って、濃厚すぎる講座が展開されます。
コロナ禍を倫理学的に考えるための最新本。倫理学一般の入門としても面白く読めると思います。
グレッグ・ボグナー他『誰の健康が優先されるのか : 医療資源の倫理学』、岩波書店、2017年
ミシェル・フーコー『監獄の誕生』、新潮社
監視に関する哲学の古典。ちなみに、私はフーコーの思想で博士論文を書きました。多くの人に読んでほしい本です。
デイヴィッド・ライアン『監視社会』、青土社、2002年
インターネット社会における監視について論じた研究書。ちょっと古いが、まだ参考になるところはあると思う。