美術館訪問前後におすすめの本
私のゼミでは、毎年、美術館に出かけてアートを鑑賞する機会を設けています。芸術は人生の潤いだと思っているので、学生には楽しむ経験をしてほしい。コロナ禍の中、私も久しぶりに美術館に行って自分を取り戻しました。
美術館行きの前後に学生に紹介できる本は常に探しています。以下、最近読んだもの中心に。こういう本に目を通すと、展覧会をより楽しめるかもしれません。これらに限らず、アート本は大量にあるので、自分が気になったものを手に取るとよいと思います。
【美術鑑賞入門】
藤田令伊『アート鑑賞、超入門!7つの視点』
美術館なんて行ったことない!アートを見るってどうしたらいいかわからない!という人はこういうのを読んでみると気が楽になると思います。
【美術史入門】
池上英洋『西洋美術史入門』
美術史ものの中でとても読みやすいと思う。
池上英洋『西洋美術史入門 実践編』
上に続く美術史の超入門。個別の作品の解説があるゆえに実践編なり。とても読みやすく、わかりやすい。
【アートビジネスの世界を覗く】
作品の買い方と心得の具体的なガイド。買う側に向けたノウハウが書かれているが、アートビジネスの世界がどういうものかも理解できる。
著者はタモリ倶楽部で見たことあるような。
ピカソの絵自体を語るのではなく、彼がどれほどうまく絵画ビジネスという時代の趨勢にのって成功しえたのかが説かれている。絵画ビジネスの成立までをたどる「美術」の制度史にもなっていて有益。
ピカソの小伝っぽい章もあり。悪魔みたいな人だとわかる。
「マネとモネ」という副題がついているが、二人以外にも印象派周辺のマイナー画家が紹介されている。次にオルセーに行った時、じっくり作品を見たい。
佐々木健一『美学への招待』
美術鑑賞から美学に進むのも面白い。この本は、美学が、現代に、どうありうるかということを学識と洞察で示してくれる。